入れ歯

入れ歯は幅広い症例に対応できる優れた治療ですが、多くの患者さんが次のようなことで悩まれています。

・食事時の痛みがある…
・異物感があり、会話がしにくい…
・しっかり噛めないので食事が制限される…
・入れ歯が外れやすく、人前での使用に抵抗がある…

これらの原因は入れ歯の「厚さ」や「ズレ」「変形」が理由です。具体的にご説明します。

原因①　入れ歯の「厚み」

人間の口内は驚くほど繊細に構成されており、わずかな異物でもすぐに感じ取ることができます。例えば、たった一本の髪の毛が口の中に入っただけでも、直ぐに異物感を感じるはずです。

このように微細な感覚を持つ口腔内に、髪の毛よりもはるかに厚い入れ歯を装着すると、必然的に違和感を覚えることになります。この違和感は、話しにくさや飲み込みにくさなど、様々な問題を引き起こす原因となります。

原因②　入れ歯の「ズレ」

お口の形と入れ歯にズレがある場合、外れやすくなるだけではなく、食べ物が隙間に挟まりやすくなるという問題も起こります。

このようなズレは、入れ歯が製作された直後から存在している場合があります。これは、入れ歯の製作過程での精度が低い、または制作工程において問題があったことが原因です。

原因③　入れ歯の「変形」

保険適用の入れ歯は「レジン（プラスチック）」という素材を使用するのですが、このレジンは長期間使用すると「ゆがみ」や「たわみ」の原因になることがあります。咀嚼時の痛み、入れ歯と歯茎の間に食べ物が挟まる、といったトラブルの原因はここにあります。

これらの問題は適切な対策と治療で解決でき、これが改善するこで噛める、痛くない、外れない以外にも次のようなメリットが得られます。

■「食べ物の味・温度」をしっかりと感じることができる
適切にフィットする入れ歯は、食べ物の「味覚」と「温度」を正確に感じ取ることが可能になります。食事をすることの楽しみが増し、毎日の食事がより一層美味しく感じられるようになります。

■「誤嚥性肺炎」のリスクを軽減
お口に合わない入れ歯は、十分な咀嚼ができず、飲み込む力（嚥下機能）も低下させてしまいます。これにより、食べ物が誤って気管に入ることで発症する「誤嚥性肺炎」のリスクが増加します。

適切に噛める入れ歯を使用することで、嚥下機能が改善され、この健康リスクを効果的に減少させることが可能です。これらの改善はただ食事の質を向上させるだけでなく、全体的な健康維持にも寄与し、日常生活の質を高める効果があります。

当院では、患者さんのお口の状態に最適な入れ歯を提供するため、総合的なアプローチを取っています。具体的な取り組みは以下の通りです。

• 「診断用義歯」を使う
• 「CTスキャン」を使う
• 「歯科技工士」との連携

それぞれ説明します。

「診断用義歯」の使用

当院では「診断用義歯」というものを入れ歯制作で利用します。具体的に説明する前に、一般的な入れ歯制作と、診断用義歯を使用した際の制作工程の比較をしてみたいと思います。

ご覧の通り、当院の入れ歯制作で実施している「診断用義歯」を利用する方が、多くの工程を踏んでいるのが分かると思います。一般的な入れ歯製作では、患者さんの歯型を取った直後にすぐに入れ歯を製作することが多いです。

この違いが「精度」に大きな影響を与えます。

当院では、最初に歯型を取った後に「診断用義歯」を作成します。この追加の工程を設ける理由は、患者さんの噛み合わせのズレを正確に診断し、修正するためです。

長期間歯がない状態が続いたり、フィットしない入れ歯を使い続けたりすると、噛み合わせは徐々に本来の位置からズレます。このまま入れ歯を作製すると、最終的にお口に合わない入れ歯が完成してしまいます。これを防ぐため、最終形の入れ歯をすぐに制作するのではなく、このズレを先に正した後に、最終形の入れ歯を制作することで、お口にフィットする入れ歯が制作できます。

「CTスキャン」の活用

入れ歯がその機能を完全に発揮するためには、顎の動きや筋肉の活動といった複雑な要素を綿密に考慮する必要があります。そのため当院では「CTスキャン」技術を用いています。従来のレントゲン技術では得られるのは平面的な2次元のイメージのみですが、CTスキャンを利用することで、顎の構造を立体的な3次元で捉えることが可能になります。

「歯科技工士」との連携

「入れ歯」の製作は、歯科技工士と呼ばれる専門家が行います。つまり入れ歯のクオリティは歯科技工士の入専門知識や技術のレベルによって差が生まれるということです。

当院では、入れ歯作製における専門性と経験を豊富に持つ歯科技工士と密接に連携を取ることで、スピーディーかつ精密な入れ歯を患者さんに提供しています。

当院では、患者さんのニーズにお答えできるように、多くの種類の入れ歯を用意しています。それぞれ、ご紹介します。

目立ちにくい入れ歯

入れ歯が目立つ主な理由は、その構造に使用される金属のバネにあります。このバネが視覚的に目立つため、入れ歯の存在が強調されがちです。

このデメリットを解消するために開発されたのが「ノンクラスプデンチャー」と呼ばれる入れ歯です。金属のバネを使用せず、歯茎の色に近いピンク色の樹脂を使用しています。当院では次のノンクラスプデンチャーをご用意しています。

スマイルデンチャー

スマイルデンチャーは、その透明感と歯茎の色との高い調和性により、口元を自然で美しく見せることができます。この入れ歯は見た目の美しさだけでなく、高い強度と柔軟性を兼ね備えています。

ノンクラスプデンチャー＋金属

ノンクラスプデンチャーはその目立たない特性から多くの利点を持っていますが、従来の金属製入れ歯に比べて耐久性が劣ることが一般的です。

この問題に対処するために、当院では見えにくい部分に金属を使用することで、入れ歯の耐久性を向上させています。

このアプローチにより、入れ歯の審美性を保ちつつ、長期間の使用に耐えうる強度を確保しています。

しっかり噛める入れ歯

磁性アタッチメント義歯

磁性アタッチメント義歯は、残存する歯根に金属のアタッチメントを取り付け、その上に磁石を備えた入れ歯を装着します。この磁力を利用して入れ歯をしっかりと固定し、入れ歯が外れにくくなるという点が大きなメリットです。

インプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャーは、2〜4本のインプラントを口内に埋め込んで入れ歯を固定する方法です。入れ歯そのものは取り外しが可能で、お手入れもしやすいという特徴があります。インプラント治療よりも治療における身体的負担が少なく、費用負担も軽減できます。

当院の入れ歯は「3年間」の院内保証付きです

これらの入れ歯は、全て院内保証3年が適用されます。何か不具合があれば、すぐに当院へご相談ください。